経緯9,「退院証明書は、F夫(別紙9-1)・F妻(別紙9-2)共に「治癒に近い状態」記載。」

 SAITO医師は、退院患者の「5,転帰欄」に、患者の疾患に関わらず「治癒に近い状態」と記入するのが習慣化してしまっていました。

 一般に退院証明書は、退院時の最終的な結果状態を記載するもので、脊髄損傷患者の場合、通院治療を続ける場合が多いので,継続と記載したり、本人が自宅療養や他施設に転医する場合などは、その旨記載する場合が多いようです。

 脊髄損傷と大腿骨折患者のF妻の場合は、大腿骨折は「治癒に近い状態」であっても、脊髄損傷は治療再開を複数の保険会社等から勧められていた状況で、「治癒に近い状態」の転帰では有り得ませんでした。
 また、F夫の場合、右大腿顆上骨折部(関節付近の骨折)の再手術予定が決まっており、「治癒に近い状態」の転帰ではありませんでした。