無資格医師による右膝関節障害無診察リハビリテーション

F夫の右膝関節障害というのは、大腿骨折のために大腿部に埋め込んだプレートが膝部で突出し、動作の度に「パキパキ、ごりごり異音を発し、激しい疼痛がある。
 該病院転入院直後は、患部が左膝の5割増しほど腫れており、それほど痛みを感じるほどでは無かった。
 しかし、腫れが治まるにつれ痛みが増し、杖歩行では体重を支えられず、入院中松葉杖使用で歩行していた。
これを医師も確認していたので、当初交付した誤記載の軽症診断書でも、疼痛有りと再手術の可能性が記載されていた。

 該病院における提携整形外科医の診察では、再手術でプレートを摘出しなければ疼痛により歩行困難が診断されており、手術は確定していた。
 その旨、正しく軽症診断書に記載されていなかったため、再手術が不可能になった現在も、軽症診断書では保険金給付の対象にはならず、多額の損害が与えられている事になる。

 これについて、病院は地裁準備書面1で、「後遺障害診断書は、保険金給付の査定資料の一つに過ぎない。診断書に記載が無いから、保険金が給付されなかったと認めるに足りる証拠は無い」旨主張した。
 個人にとっては多額であっても、少額の保険契約は診断書に基づいて査定するのが一般的で、後遺障害診断書は唯一の査定基準である。
 これを病院が、「調査員が来訪して調査の結果、査定給付するものだ」と虚偽主張して、「診断書の記載内容は保険金給付とは直接関係が無い」と主張すると、裁判官はそのまま病院主張の通り判決に書いた。

 一般社会では、診断書は証拠として扱われ、これに基づいて保険金が支給されているのだが、函館の裁判所では、診断書は保険金給付とは直接関係しないという別社会の判断になった。
 前述の通り、「診断書不記載により、保険金が給付されなかった証拠は無い。」という病院の地裁準備書面1は、裁判官が「何を言いたいか判らない」と病院弁護士に書き直しを命じたもので、患者には「反論不要」と命じたものであった。
 患者に反論を禁じた病院主張を、判決にそのまま書く裁判官は、明らかに偏向していた。

 医師がリハビリ専任医であれば、診断書の記載内容と保険金給付対象の関係は、理解しており、適切に記載されていれば、胸部変形保険金は診断書提出直後に、
また右膝関節障害保険金は、再手術不可能診断直後に給付されていたものである。

 病院は、障害不記載は過失であるし、不記載が保険金未給付の原因では無いので責任は無いと主張しているのだが、診断書が患者の症状実態と反していた事は認めていた。
 それなら、裁判中の時点で診断書誤記載を確認出来たのであるから、リハビリ専任医の責任として、その時点で診断書訂正に応じていれば、患者の損害を軽減させ、また病院も保険会社に代わって賠償する義務は無くなった筈である。
 それでも、病院は、脊髄損傷治癒を患者が認めるまで、保険金給付を妨害するという初期方針を貫いたのである。