函館地方検察庁への告訴状2013/3/13弁護士に依頼しなければ不受理

告訴の趣旨

被告訴人は医事に関し下記犯罪を犯し、犯状非常に悪質であるので、厳重に処罰されたく、ここに告訴します。

告訴の理由

告訴人らは、山梨県で自動車事故に遭い、同県で手術・リハビリを開始し、告訴人病院に転入院しました。
同病院では、内科医である被告訴人医師が主治医となり、告訴人F夫は大腿骨折、告訴人福原緑は脊髄損傷・大腿骨折のリハビリ治療を受けていました。
被告訴人の治療期間上限指示に従い退院後、告訴人らは診断書交付を受け各所に送付しましたが、後日に告訴人両名共に「後遺障害無し」の診断書になっていた事が判明しました。
告訴人らの保険会社後遺障害診断書(3・5号証)は修正される事になり(後日、修正拒否)、告訴人福原原緑の上下肢障害7級体幹障害無し・身障者診断書(1号証・以後第1診断書)も、上肢障害7級下肢障害4級体幹障害無し・身障者診断書(2号証・以後第2診断書)に修正提示されました。
一部空欄再計測項目のある第2診断書修正協議開始直後、告訴人が「脊髄損傷患者に体幹無し下肢4級申請は矛盾しないか?」と疑問を呈すると、被告訴人は後遺障害診断書の修正を拒否して保険金給付妨害を始め、告訴人に「脊髄損傷は治癒しているので体幹障害無しを認め、空欄再計測に応じるよう」強要を始めました。
脊髄損傷不治は医学常識であり、体幹5級の障害を下肢4級にレベルを上げるのは虚偽申請ですから、告訴人は保険金給付妨害の脅迫行為を止めるよう求めましたが、被告訴人は給付妨害を続け、第2診断書修正協議継続を拒否しました。
協議不能と、保険会社から「脊髄損傷の治療をしていたと思えないので、他病院で治療再開した方が良い。」と勧められた事から、被告訴人に他病院への紹介状交付を求めましたが、拒否されました。
他病院で受診出来なければ薬が切れるので薬剤処方を求めましたが、被告訴人は「本人診察が無ければ、家族にも薬剤処方は出来ない。」と拒否しました。

この平成23年10月以降、被告訴人は、医療過誤と虚偽診断書作成、そして後に判明したセラピストおまかせリハビリテーションを隠蔽するため、告訴人らの抹殺を企図し、後遺障害診断書修正拒否による保険金給付妨害の拡大継続、他病院での治療再開妨害、薬剤処方停止を現在も継続しています。

被告訴人らの診断書修正拒否などによる保険金給付妨害により、平成23年中に保険会社から告訴人らに給付される筈であった2000万円以上が現在も止められ、且つ民間保険は査定終了し、残る自賠責保険も査定可能かは不明です。
これらの保険金は、告訴人らが35年以上に渡り万が一の時のために契約してきたもので、何の権利も無い被告訴人らによる医師法違反行為の隠蔽や脅迫に利用させるためではありません。

被告訴人らが民事調停後に告訴人らに唯一紹介した提携病院は、被告訴人からの診療情報提供書並びに口頭で、「脊髄損傷治癒」診断するよう依頼されており、それ以外の病院への紹介は、被告訴人の医療過誤と虚偽診断書が判明してしまうため、依然拒否されたままです。

被告訴人らが、看護人への薬剤処方義務を定めている医師法に反して、「本人診察が無ければ薬剤処方しない。」と拒否したため、告訴人F妻は「医師の指示無く服用を中止してはならない。」中枢神経・末梢神経系の薬剤「リリカ」(7号証)を含む全薬剤を平成23年10月から現在も止められ、症状悪化が甚だしく、店舗営業再開どころか家事も不可能になっています。

告訴人らは、自立歩行困難の身体障害を負っていますが、保険給付妨害と共 に、被告訴人が診断書の交付を拒否しているので、身体障害申請は今後も不可能になっています。

2年間無収入状態で、告訴人らは上記の状況に追い込まれています。
現代の日本において、支払い能力がありながら必要な入院治療が受けられない、薬剤が処方されない、診断書が交付されず掛けてきた保険金が受け取れない、不慮の事故で身障者となってしまった患者らが、死ぬかもしれない、否、死んでしまった方が都合が良いという被告訴人らの行為が許されてはならないと思います。


告訴に至る経緯

告訴人らは、平成23年1月22日山梨県旅行中に交通事故に遭い、山梨県立中央病院に救急搬送されました。
告訴人F夫の傷名は胸骨・肋骨骨折・右大腿骨折・腹腔内出血、告訴人F妻の傷名は中心性頚髄損傷(脊髄損傷)・腹腔内出血・左大腿骨折でした。
 
 平成23年3月9日、山梨リハビリテーション病院に転院し、症状に合わせたリハビリが開始され、順調に回復していきました。

平成23年4月7日13時に告訴人病院リハビリ科に転院しましたが、同病院入院初日から、病院受付から医師・看護師・療法士に至るまで、告訴人F妻を軽症扱いしていました。
しかし、それが病院の治療方針と考えて、被告訴人らが頚髄損傷を、手術の必要が無かった頚椎捻挫と誤認して扱っていたと疑う事はありませんでした。

同病院は、提携整形外科医が出張診察していますが、本来常勤していなければならないリハビリ専任医(11号証)が在籍せず、内科医である被告訴人医師が主治医として勤務していましたが、「リハビリの事は判らないので、セラピストの先生に聞いて」と発言していた通り、同医師にはリハビリ医としての勤務実態がありませんでした。

被告訴人医師のリハビリ期間日数制限説明に応じ、告訴人F夫は平成23年6月6日に退院、告訴人F妻も同年7月19日に被告訴人病院を退院しました。

告訴人らは、保険会社2社の医療保険診断書・民間後遺障害診断書(3号証・5号証)を各2名分、並びに告訴人F妻については第1診断書(1号証)を被告訴人に作成依頼し、交付後各所に送付・届出しましたが、告訴人らは記載内容は確認していませんでした。
身障者手帳申請却下となった平成23年10月初め、第1診断書(1号証)・後遺障害診断書(3号証・5号証)の記載内容を初めて確認すると、告訴人らの入院中の症状実態と異なる「ほぼ正常」記載になっていた事が判明しました。

例えば、告訴人F妻の第1診断書・上下肢7級(1号証)の記載は「2km以上自立歩行困難」つまり「杖・介助員無しで2km未満は歩けた」となっていましたが、同人の退院直前の身体状況は「杖使用介助員付き700m歩行」であったなど、完全に別人の記載となっていました。
告訴人らは、各項目症状を説明して確認の上で訂正するよう申し入れ、被告訴人はこれを認め、平成23年10月13日に修正第2診断書・上肢7級下肢4級(2号証)が告訴人に提示されました。
同診断書は、身体状況など大幅に修正されており、下肢4級・上肢7級・体幹障害無しで、計測3箇所が未計測として空欄になっていました。
この修正協議初回に、告訴人が「脊髄損傷を下肢障害申請して矛盾しないか?」確認した直後、被告訴人は、告訴人F夫の保険金給付妨害を始め、「告訴人らが体幹障害無しを認め第2診断書の空欄再計測に応じれば、下肢障害4級で診断書を交付する。」と主張しました。

一般常識として、脊髄損傷は治癒しない障害であり、厚労省の障害認定基準(10号証)では脊髄損傷は体幹障害に含まれ、上下肢に単独の認定障害が無ければ、体幹障害と上下肢障害の重複申請は認められません。また、大腿骨折は下肢障害の認定対象ではありません。
従って、告訴人F妻は体幹障害5級に相当するのであって、被告訴人が主張する第2診断書の下肢障害4級は、違法に高い障害等級を申請する事になってしまいます。

告訴人は、保険金給付妨害を止めるよう要求しましたが、被告訴人は、告訴人らに「下肢障害4級・体幹障害無しを認め、空欄再計測に応じるよう」強要し続けました。
しかし、滝川の聴覚障害虚偽申請事件と同様、体幹5級を、認定基準に違反して虚偽である事を知りながら下肢4級を申請する事は、明らかに犯罪行為です。
告訴人らが「下肢4級・第2診断書」(2号証)を拒否したため、被告訴人らは第2診断書で障害申請した場合、行政から告訴人に「下肢障害問い合わせ」があった際は、告訴人が下肢障害を否定し、虚偽診断書が判明してしまうと考え、診断書交付を止め、第2診断書修正協議を停止し、以降は、無視を始めました。
この状況は、告訴人の電話・メールを全て無視するため送付した抗議文(8号証)と、これに対する被告訴人事務長の「説明済み」回答(9号証)が証拠です。

被告訴人に対する信頼を完全に失い、アメリカンホーム保険会社担当佐野氏から「脊髄損傷が治った例は無いので、病院の主張はおかしい。」、全労済担当福田氏から「脊髄損傷患者を3箇月で治療終了しているのはおかしい。他病院で治療再開した方がいい。」、市福祉課担当東野氏とその上司から「脊髄損傷で体幹障害無しという病院はおかしい。障害申請は他病院で書いて貰った方がいい。」と勧められたので、被告訴人に他病院への紹介状交付を何度も求めましたが、これも無視されました。
後日福祉課では、道庁と相談の上、「被告訴人の下肢障害4級所見・空欄項目有りの第2診断書(2号証)でも、特例として体幹障害5級の申請として受理する。」と告訴人に連絡してくれましたが、被告訴人は、同診断書の交付を拒否しました。
障害者の認定は行政が行うものであり、医師には診断書記載義務が有るだけで、下肢障害4級と診断したのなら、そのまま診断書交付に応じれば良かったのですが、被告訴人はこれに応じませんでした。

被告訴人としては、告訴人が他病院で治療再開すれば、「体幹障害5級相当の脊髄損傷障害有り、下肢障害4級診断は虚偽診断書(2号証)」が判明してしまうため、他病院での治療を再開させるわけにはいかなかったのです。
これについて被告訴人は、平成24年11月の民事法廷で初めて「問題発生直後から、告訴人が診察を受ければ紹介状を交付すると説明していたが、告訴人が診察を拒否したので交付出来なかっただけ。」と主張しました。
紹介状は医師の裁量内で交付出来、診察は必須義務では無く、実態として診察無しでも交付は可能でしたが、告訴人が要診察を説明されていれば、全ての問題が解決するのですから、告訴人がこれに応じなかった筈はありませんでした。
今現在も、他病院への紹介を拒否し続けている被告訴人には、隠蔽したい「事実」があるのです。

平成23年11月5日、告訴人は、紹介状無しで函館病院に受診申込をしようとした処、「交通事故患者の場合、トラブルを避けるために紹介状が必要」と受診拒否されました。
その後、保険会社も函館病院・函館医師会に問合わせてくれましたが、同旨回答でした。

告訴人らは、他病院における入院治療再開を妨害され、他病院に診断書交付も依頼出来ず、後遺障害保険金給付各2件を妨害され、医療保険・身障者手帳も支給交付されず、その上に薬剤処方も拒否・妨害され、日々痺れと苦痛が増し、店舗営業再開・家事も不可能になりました。

平成23年12月、告訴人らは「体幹障害無しの診断根拠明示・障害者手帳用診断書の入院記録に基づく記載・保険給付妨害の停止・退院時に交付した保険会社用後遺障害診断書の訂正・紹介状交付」を求め、民事調停を申し立てました。
平成24年1月13日の第1回調停において、被告は、「身障者診断7級認定を原告指摘により4級認定に変更していた事実」を調停員に隠蔽し、「患者要求で、医学的判断を変更出来ない。」旨の虚偽主張を行いました。
また調停員は、一般医であってリハビリ専任医の知識が無いため、リハビリ医であれば定期的に計測値を記録し、診療録に空欄がある筈が無い事を理解しているのですが、調停員は、被告の「原告が計測に応じない為に診断書が作成出来無い。」という虚偽主張を信じ、原告に計測に応じるよう譲歩を促しました。
原告としては、計測に応じる前に、被告の「体幹障害無し診断」を適法に改めて頂くのが先決と考えていましたので、調停は3月の第2回に繰り越しとなりました。
同年3月1日の第2回調停前に、被告訴人は「早退する」旨伝えており、調停開始前に対応は既に決定していると思われる状況でした。
告訴人は「再計測に応じる。」と譲歩しましたが、被告訴人は「告訴人らが体幹障害無しを認めなければ、診断書を交付しない。」と、調停不成立にして退席しました。

調停不成立後に、書記官から「相手方は病院紹介状交付には応じる」旨の説明がありました。
被告訴人事務長から、函館病院佐藤医師を指名し「予約無しで受診するよう」指示され、函館病院では、診察前に手術病院でも撮影しなかった20枚以上数えられなくなる程大量のレントゲン撮影が行われました。
医師の診察が始まると、「事故の怪我は治っている。痺れは坐骨神経痛など」と言い出しましたので、告訴人が「脊髄損傷はMRIでしか診断出来ないのに、レントゲンで何故治癒診断出来るのか? 脊髄損傷の治癒例はあるのか?」と問うと、「何でそんな事知ってるの。ここは急性期病院だから、回復期の告訴人に薬剤処方箋は交付出来ない。」と言いだし、告訴人F妻について「脊髄損傷は治癒しているので、現在給付中の自動車保険は止めて、自費負担になる。後遺傷害保険は対象外となる。」、その後告訴人F夫に対しても「再手術予定だったが、骨が治っていないので手術は不可。今後も右膝関節疼痛により自立歩行は不可能だが、厚労省の『疼痛による機能障害』認定基準は知っていても、後遺障害診断書は書かない。」と診断しようとしましたので、提携病院の診断は中断しました。
保険会社担当者の話では、「もし診断を中止していなかったら、医師の診断が非常識であろうと、それが査定基準になるので、給付を停止しなければならない所だった。」との事でした。
その後、被告訴人事務長に「薬剤処方が出来る他の回復期病院への紹介」を求めましたが、提携病院以外への紹介は拒否され、他病院における治療再開、薬剤処方、適正診断書の交付が受けられぬまま、厚労省が定めるリハビリ治療期間上限日数が経過し、保険診療期間は終了してしまいました。

平成24年4月、函館西警察署に被害相談しました。
原告に同情し3週間ほど捜査はしてくれましたが、告訴人が医師法違反について全く知識が無かった事と、警察は「医師のいう事を聞かない患者」という被告訴人の主張を優先し、「裁判するしかない」と被害は取り上げられませんでした。
尚、西警察も、「事故患者の場合、紹介状がなければ転医出来ない。」事実を、医師会に確認済みです。

平成24年5月、告訴人らは函館地裁に民事告訴し、現在も係争中です。


被告訴人の違法行為

1、被告訴人による「セラピストおまかせリハビリテーション

 リハ病院が医師法違反で摘発される殆どは、俗に「セラピストおまかせリハビリテーション」と云われる違法行為であり、厚労大臣が定める医師・セラピスト要件に違反して、無資格のセラピストに医療行為を丸投げする行為をいいます。
 これは、経費節減のためにリハビリ医を常勤させず、本来リハビリ医が行うべき医療行為のすべてをセラピストに任せ、診療報酬を詐取する行為です。
 通常、医師要件規制が緩い大腿骨折などの運動器リハ施設で行われる例が多いのですが、被告訴人の場合は、運動器リハだけでなく、より専門的な知識経験を要する脊髄損傷などの脳血管疾患等リハでも専任医・専従セラピストを常勤させていません。
 告訴人病院は、長期間・多数の患者に、違法な無診察リハビリテーションを行って来たのです。


2、被告訴人による脳血管疾患等リハビリテーション施設基準違反

 告訴人F妻の脊髄損傷を担当するのは、脳血管疾患等リハ専任医ですが、被告訴人病院には2名の専任医の在籍が義務付けられている(11号証)にも関わらず、専任医は在籍していませんでした。
 被告訴人は、「脳血管疾患等リハ専任医がいなくても、提携整形外科医が診察し、セラピストの治療内容を含め、被告訴人は整形外科的状況を把握していた。」(平成24年10月準備書面)旨主張しますが、脊髄損傷は整形外科的状況ではなく脳神経科的・神経内科的状況であり、被告訴人が内科医であっても脳血管疾患等リハ専任医であれば合法ですが、現状は明らかに違法な無診察リハビリテーションです。
 告訴人F妻の退院証明書(4号証)の転帰欄には、「治癒に近い状態」と記載されていますが、脊髄損傷患者の退院証明書の治療結果欄に「治癒に近い状態」と診断記載する事は、常識的には有り得ません。
 退院の事由の構成割合は、集計時期・対象にも因りますが、「治癒」が6.9%、「軽快」が70.0%と治癒・軽快の割合が約8割で、「不変」が5.8%、「悪化」が0.7%、「死亡」6.9%、その他などとなっていますが、脊髄損傷である中心性頸髄損傷の場合は、「不変」か「軽快」が限度であるのに、「治癒に近い」と記載しているのは頸椎捻挫患者と思い込んでいた証拠です。
 平成24年11月、これについて被告訴人は、「治癒というのは症状固定の意味」と主張しましたが、告訴人が「症状固定の医学用語は寛解、治癒は治癒。」と主張すると反論しませんでした。
 脊髄損傷の場合も、頸部への軽度の圧力で障害悪化する事もあるのですから、「寛解」ではなく「治癒」という表現で症状固定を主張するのは虚偽ですが、同時期に作成した診断書の記載内容が、「障害無しの治癒に近い状態」になっているのですから、「障害無しの趣旨では無かった。」という被告訴人主張には整合性がありません。

 被告訴人病院では、患者の治療計画策定や訓練効果の評価・記録、治療指示など、本来医師が行うべき業務を全てセラピストが行っていたため、セラピストは告訴人F妻の中心性頸髄損傷が治療期間180日間の脊髄損傷である事を認知しておらず、頸椎損傷の治療期間150日間を告訴人らに説明・退院指示し、入院中に脊髄損傷の治療は行われませんでした。
 頸椎損傷は骨の損傷であり、告訴人F妻は手術はしていなかった事から、頸椎捻挫の単なる自覚症状とセラピストが診断決定し、被告訴人医師も中枢神経である脊髄損傷の治療期間180日間を知らずに90日間で退院を勧めるなど、重症患者という認識が全くありませんでした。
 そのため、被告訴人病院転入院初日から、歩行器使用、院内移動介助、入浴介助、頸部の補助具使用などが無くなり、大腿骨折リハのみが行われ、頸部疼痛は無視されていました。
 その結果、中枢神経の損傷である中心性頸髄損傷即ち脊髄損傷である体幹障害を被告訴人病院の誰も理解せぬまま、告訴人退院時に上下肢障害7級・体幹障害無しの第1診断書(1号証)が作成交付されたのです。
 この診断書記載の根拠になったのが、入院中のFIM数値・機能的自立度評価なのですが、被告訴人は「頸髄損傷を頸椎捻挫と間違える事は無く、適切な治療により、満点近くまで症状改善していた。」旨、現在も主張しています。
 しかし、このFIM数値・機能的自立度評価による第1診断書7級評価が間違っていた事を認め、第2診断書の4級評価に訂正しているのですし、頸椎捻挫と違い治癒しない頸髄損傷を、「満点近くまで症状改善していた。」と現在も主張している事自体が、脊髄損傷を理解せずにリハ治療を行っていた証明です。

 セラピストが体幹障害を認めないので、第2診断書も「体幹障害無し」になったのですが、厚労省が「神経症状は体幹障害に含む」(10号証)と定める通り、脊髄損傷は明白な体幹障害です。
 被告訴人の行為は、医師法第20条(罰則第33条の2)ならびに保険医療機関及び保険医療養担当規則(以下、療担則)第12条、厚労省による無診察診療等の禁止指導(12号証)に違反する、無診察治療・無診察診断書交付です。

 尚、第1診断書(1号証)は、全項目7級相当のほぼ正常値が記載されていましたが、告訴人の「入院中の症状実態と異なる」指摘により、4級相当の修正第2診断書(2号証)が提示されました。
 この理由について、被告訴人は「単なる過失」と主張していますが、過失で3段階も等級が変わる・変えられるものなら、刑法第160条の虚偽診断書作成規定は無意味になります。
 また、第1診断書(1号証)は全項目が記入済みとなっていましたが、修正第2診断書(2号証)には「記録無し」を理由に3項目が空欄になっていました。
 被告訴人は、第1診断書記入の際に、記録が無い事を知りながら正常値を記載していたのですから、第1診断書(1号証)は故意による虚偽診断書作成です。
 修正第2診断書(2号証)の「記録無し」3項目はリハビリ対象項目であり、定期的計測と診療録への記載が義務付けられ、これに違反すれば厚労省の「個別指導」対象(12号証)であり、医師法第24条(罰則第33条の2)の診療録記載義務違反です。

 被告訴人は、「過失により軽症の診断書が作成されただけで、故意では無い。」と主張しますが、同時期に作成された告訴人らの保険会社向け診断書も「過失」で軽症診断書を交付してしまったのなら、直ぐに訂正する筈です。
 確かに、記入時は医師法違反の無診察診断行為であったとしても、故意記載ではなかったかもしれません。
 しかし、告訴人の求めに応じこれを訂正する処か、以後1年半以上も診断書を訂正交付せず、現在も保険金給付を妨害し続けているのは、明白な故意以外にありません。
 第2診断書(2号証)の修正協議の際、「リハビリの事は何も判らない」被告訴人医師は参加せず、診断を担当したリハビリ科長が全て対応しました。
 リハビリ科長は、協議前に厚労省の障害認定基準を初めて確認し、告訴人F妻の中心性頸髄損傷が治癒例の無い脊髄損傷だと理解していたようで、告訴人F妻の脊髄損傷は明らかに体幹障害5級であるのに、告訴人に下肢障害4級を納得させるべく腐心していました。
 告訴人が納得しない様子を示すと、協議開始直後に、被告訴人は告訴人F夫の提出済み後遺障害診断書の記載内容に関する保険会社への補足診断回答を、医師法第19条に違反して拒否し、保険給付妨害を開始しました。
 告訴人からの妨害停止要求に対し、被告訴人は第2診断書の空欄再計測を要求し、修正協議には応じなくなりました。
 告訴人の体幹障害5級主張に対し、高い等級の下肢障害4級の虚偽診断書に同意させるべく、保険給付妨害により脅迫し、体幹障害無し診断書の再計測について刑法第223条の強要を行ったのです。

 告訴人らは、被告訴人が要求する下肢障害4級診断書を認めれば、告訴人F妻は高い等級の障害者認定がされるとしても、刑法第161条違反の虚偽診断書行使に当たるため、被告訴人の要求を拒否しました。
 すると被告訴人は、 「告訴人を他の病院に受診させれば、虚偽診断書の事実が判明してしまう。」事を懼れ、療担則第16条の転医義務に違反し、他病院への紹介を拒否して治療再開を妨害しました。
 これは、実質的に、告訴人らが他病院に対する診断書交付依頼の機会を奪うもので、被告訴人による後遺障害診断書の誤りと共に、入院保険給付妨害が重なり、平成23年中に給付される筈であった2000万円以上の保険給付が妨害され、現在も妨害が継続されてます。
 また、転医妨害により平成23年10月に、1日服用しなければ症状悪化が始まる薬剤が切れるので、告訴人F妻の薬剤分について告訴人F夫への代理処方を求めましたが、被告訴人は「本人の診察が無ければ薬剤処方は出来ない。」と拒否しました。
 医師法第24条(罰則第33条の2)は、本人だけでなく看護に当つている者に対する薬剤処方義務が定められ、一般にも慢性疾患患者については家族に薬剤処方が可能です。
 被告訴人は平成24年11月に初めて「本人診察不要で、家族に薬剤処方可能」を認めましたが、依然薬剤処方意思は示しません。
 これは、医師の立場を利用した傷害行為に外なりません。
被告訴人が平成24年11月民事訴訟準備書面2で初めて認めた事項
 「斉藤医師は脳血管疾患等リハ専任医では無いが、前病院の引継ぎを受けているので問題無し。」
 「協議中に保険給付を妨害したのでは無く保留したのは、告訴人らの利益を考えて一気解決目的で診断回答をしなかった。その後、診断書問題が解決しなかったので保留のままになっただけ。」
 「薬剤処方は、患者家族に交付可能だった。」


3、被告訴人による運動器リハビリテーション施設基準違反

 告訴人らの大腿骨折を担当するのは、運動器リハ専任医ですが、被告訴人医師にはリハビリ専任医としての勤務実態がありませんでした。
 厚労大臣が定める医師要件(11号証)では、「運動器リハビリテーションの経験を有する専任の常勤医師が1名以上勤務していること。なお、運動器リハビリテーションの経験を有する医師とは、運動器リハビリテーションの経験を3年以上有する医師又は適切な運動器リハビリテーションに係る研修を修了した医師であることが望ましい。」とされているので、内科医である斉藤医師が3年以上の臨床経験が無くともリハビリ医として勤務する事は違法ではありません。
 しかし、前述の脳血管疾患等リハと同様、セラピストに医師業務の全てを任せてしまっている実態は「セラピストおまかせリハビリテーション」であり、違法な無診察リハビリテーションである事に変わりはありません。
 告訴人F夫の退院証明書(6号証)の転帰欄には、「治癒に近い状態」と記載されていますが、退院時の症状は右膝関節疼痛により再手術しなければ自立歩行が不可能でした。
 同時期に作成した診断書にも、右膝関節疼痛による自立歩行不能・胸部変形有りの記載が無く、運動器リハビリ専任医としての勤務実態が無かった事は明らかです。

被告訴人医師は、告訴人ら入院中に骨折部位を自ら確認・診察する事は一度もありませんでした。
また、リハビリ時には毎回医師の診察を要すると定められていますが、専任医の診察無しにリハビリが開始されたので、告訴人F妻がセラピストに問うと「福原さんの場合は時間が経っているので、診察は要らない。」と、無診察治療が常態化している回答をしました。
後日、提携整形外科医の診察を受けましたが、同医師は骨折の診察をするだけで、リハビリ診察は行わず、セラピストへの治療指示も行いませんでした。
 毎月定例のカンファレンスの際、被告訴人医師は、セラピストの判断を聞くだけで、自身は「リハビリの事は判らないので、リハの先生(療法士)に聞いて。薬の事は判らないので、前の病院の先生に聞いて。」と明言していました。
 リハビリ専任医として、自ら診察の上処方している薬剤について、「知らない」など有り得ない発言ですが、カンファレンス後に心配したセラピストが「先生の方から、前病院に問い合わせして貰おうか?」と確認されました。
 同室の患者さんのご家族が薬剤師で、薬の疑問は解決しましたが、セラピストが大腿骨折の治療期間150日間を改正前の90日間と患者に説明すれば、前述の通り治療期間180日間の脊髄損傷患者にも同時期90日間の退院を勧めるなど、また告訴人らが他部位損傷の治療上限の適用除外になる事も、全く理解していない医師でした。

 リハビリ知識が全く無いので、医師法第23条や療養担当規則が定める療養指導は出来ませんし、セラピストが誤ったFIM数値・機能的自立度評価を記録すれば、患者の実症状を確認する事も無く、診断書に「後遺障害無し」と記載したのです。
 また、退院証明書(4号証・6号証)を見れば明らかなように、退院する殆どの患者に、傷名に関わらず「治癒に近い状態」と記載するのが習慣になっているようです。
 そのようなリハ勤務実態の無い被告訴人医師ですが、「直接診察しなくても、セラピストや整形外科医を介し、総合的に整形外科的状況を認知了解していた。」旨、主張します。
 しかし、この主張は、厚労省の集団指導等(12号証)に違反し、以下、告訴人F夫の胸部変形と右膝関節障害の対応を検討すれば、医師法違反は明らかです。

 保険会社は、通常大腿骨折は治癒するので,後遺障害診断書の不記載は不審に思いませんでしたが、胸部変形について記載が無い点については、胸骨・肋骨6本骨折の状況から変形不記載を不審に思い、平成23年8月末頃、被告訴人医師に電話診断補足回答を求めました。
 斉藤医師は、告訴人F夫の入院中に一度も患部を診察していない無診察だったにも関わらず、「胸部変形無し」と回答しました。
 これについて被告訴人は、「認識・問題視していなかっただけで、セラピストや整形外科医の診察により認知了解していたから、無診察ではない。」旨主張していますが、告訴人が「セラピストや整形外科医は、リハビリ対象外の胸部を見る事も無かった。症状固定の胸部診察義務は、運動器リハ専任医であった斉藤医師にある。」と指摘しても、回答はありませんでした。
 平成23年8月末、保険会社から告訴人に「斉藤医師が変形無しと言っているが」と電話確認がありましたので、「変形は有るので、通院診察時に診断して貰う。」旨応えました。    
 告訴人F夫は、平成23年9月末に斉藤医師に診断を求めましたが、当初、同医師は「僕は内科医だよ。診察は出来ない。」と診断を拒否しました。
 告訴人が「『変形は無い』と診断回答した医師が訂正しなければ」と抗議すると胸部を診察しましたが、「変形は有るけど、生まれつきかもしれないし、判らない。」というので、「カルテに骨折箇所が書いてあるのだから、レントゲンの骨折箇所と外見の変形箇所を比べれば判るでしょ。」と指摘すると、ようやく「保険会社から電話があったら、変形を確認した旨答える。」と約束しました。
 平成23年10月14日頃、告訴人F妻の修正第2診断書協議中に、保険会社の電話に「弁護士に依頼しているから回答しない。」と答え、脅迫手段に利用したのは前述の通りです。

 告訴人F夫の右膝関節障害については、入院中に、提携整形外科医の診察により、疼痛による自立歩行困難が診断され、半年後の骨の形成を確認して再手術が確定していました。
 被告訴人は「提携整形外科医の診断も認知了解し、リハビリ医として整形外科的状況を把握していた。」と主張しますが、後遺障害診断書(5号証)には、胸部変形と共に右膝関節障害の記載がありません。
 被告訴人が医師法第20条違反の無診察診断書交付(罰則第33条の2)を行い、また記載内容の訂正にも応じないので、右膝関節障害除去手術が不可能になっても、胸部変形を加えて民間保険だけで600万円以上の保険給付がありません。
 これについて被告訴人は「診断書に記載が無いから査定されなかったという証拠は無い。」と主張しています。


4、被告訴人が治療しているリハビリテーション患者

 被控訴人病院の脳血管疾患等リハは、中心性頸髄損傷の告訴人F妻のほか、脳梗塞脳出血、脳外傷、脳炎、脳症、髄膜炎、脳膿瘍、脊髄損傷、脊髄腫瘍、てんかん重積発作、多発性神経炎、多発性硬化症、神経筋疾患、顔面神経麻痺等、パーキンソン病脊髄小脳変性症筋萎縮性側索硬化症、末梢神経障害、皮膚筋炎、多発性筋炎失語症、失認及び失行症、高次脳機能障害言語障害聴覚障害、言語聴覚障害、構音障害、言語障害を伴う発達障害等の患者らを受け入れています。
 これらの患者に対して、被告訴人病院には義務付けられている脳血管疾患等リハ専任医が在籍していない(11号証)のですから、入院中に専任医の診察・治療指示・治療計画策定・療養指導説明などが1度も行われぬまま「治癒に近い状態」と記載された診断書と退院証明書を交付され、何も気付く事無く退院しているのが実情でしょう。
 告訴人らは、偶々「脊髄損傷治癒」というあまりに非常識な診断書記載があったため気付きましたが、告訴人F夫の場合は、胸部変形だけでなく、右膝関節障害について平成24年1月に再手術不可能が判明してから、ようやく診断書不記載によって保険給付がされていない事に気付いた状況です。


 同病院には、脳梗塞患者も何人か入院治療していましたが、年齢的な事もあり、違法な取り扱いに気付く事は少ないと思われます。
 また、今回の被告訴人の対応を分析すると、主導したのは笹谷事務長と思われますが、対応が手馴れています。
 トラブルが起きた時に良心的対応をせず、直ちに保険金給付妨害により脅迫して虚偽診断書を行使させようと強要したり、それでも言う事を聴かなければ、転医妨害し薬剤処方を止めれば、例えば脳梗塞のお年寄りなどは、泣き寝入りか自殺以外の選択が出来るとは思われません。

 被告訴人病院に入院していた告訴人ら2名が2名共、それぞれにこのような事態に巻き込まれたのですから、単純な過失というより、セラピストおまかせリハビリテーションという構造的な欠陥があるものと思わざるを得ません。

 被告訴人病院の運動器リハは、告訴人らのほか,上・下肢の複合損傷、脊椎損傷による四肢麻痺体幹・上・下肢の外傷・骨折、切断・ 離断、運動器の悪性腫瘍、関節の変性疾患、 関節の炎症性疾患、熱傷瘢痕による関節拘縮、運動器不安定症等の患者を受け入れています。
 これらの患者対応は、脳血管疾患等リハ患者よりは専門性が低いので、治療自体についてはセラピストのみでも対応は可能でしょうが、やはり不適切治療が行われ、告訴人F夫の例で明らかなように、診断について患者に実害を与えているのです。

 告訴人らだけでなく、長期間、多数の患者に違法診療を行い、診療報酬を詐取している被告訴人病院を、是非とも摘発して頂きたいと願っています。