経緯4,「入院直後のF妻の診察で、SAITO医師が「もう治ってる」と発言」

 山梨リハビリ医から「長期治療になるので」自宅付近の回復期病院に転院を勧められ、脊髄損傷は受傷後3箇月前後までの治療効果が高いことから、次病院の治療モチベーションのためにもと、早めの転院になりました。
 転院の際は、山梨病院の相談員が、リハビリ医・療法士・施設が最上級施設と公表されている複数の病院をリスト化してくれ、患者はその中から自宅に近い高橋病院を選びました。
 入院当日は、早朝に山梨を発ち、指定時刻に合わせて、受付で入院手続きをしましたが、病室の準備が出来ておらず、受付で1時間以上放置されるなど、入院当日から軽症扱いでした。

 平成23年4月7日転入院後の診察で、SAITO医師はF妻の頸部レントゲン写真を見て、「もう治ってる。」と発言しました。

 中心性頸髄損傷はレントゲンには写らない中枢神経の損傷なので、レントゲンで治癒診断は出来ません。また中心性頸髄損傷患者をこれから治療しようとするリハビリ医が、頸椎レントゲン写真を診て「もう治ってる」と発言したのは、F妻の疾患を軽度の頸椎損傷と誤認していたためで、後述の診断書の障害起因「脊椎」改竄問題(経緯17-c)に繋がります。

 SAITO医師は患者の疾患を頸椎と誤認していたので、患者に治療期間を説明する際、F妻の脊髄(セキズイ・神経)損傷・中心性頸髄損傷の厚労省が定める治療制限日数所定の180日間を、誤って脊椎(セキツイ・骨)損傷治療期間の150日間と説明していました。
 実際の退院判断は、SAITO医師の治癒診断のために更に早期退院になりました。
 また、患者らは他部位損傷患者なので、治療制限日数の適用除外対象患者で治療延長が可能だったのですが、SAITO医師はリハビリ医としての基礎的な知識がありませんでした。

 中心性頸髄損傷とは、脊髄の中心部にある中枢神経に損傷がある疾患で、レントゲンでは診断出来ず、MRI画像診断により中枢神経の損傷部に現れる出血部など輝度の高い画像部分の位置や程度により診断されるものです。一般的には上肢により強い障害が遺る疾患と言われています。